名無しさんさん
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結婚記念日の旅行中、妻の美咲(仮名)は高級ブティックで出来心から小さなアクセサリーをバッグに滑り込ませてしまった。店を出ようとした瞬間、背後から低く落ち着いた声が響く。 「奥さん、ちょっとお話しませんか?」 振り返ると、黒い制服に身を包んだ警備員が立っていた。30代後半くらいの男性で、鋭い目つきだがどこか意味深な笑みを浮かべている。美咲の心臓はドクンと高鳴った。バッグの中のアクセサリーが、まるで熱を持つように感じられる。 「こちらでお預かりした品物、確認させてもらえますか?」 警備員は静かに、だが有無を言わさぬ口調で言った。 美咲はしどろもどろになりながらバッグを開け、アクセサリーを差し出す。警備員はそれを手に取り、じっと彼女を見つめた。 「これ、警察に届けることもできるんですよ。結婚記念日の旅行が台無しになっちゃいますね。」 彼の声はどこか芝居がかった響きを持っていた。「でも…奥さんが少し協力してくれるなら、今回は見ず知らずのよしみで穏便に済ませてもいいかもしれない。」 美咲は凍りついた。「協力って…何ですか?」 声が震える。 警備員は一歩近づき、声を潜めた。「奥さんみたいな綺麗な人と、ちょっと特別な時間を過ごしたいだけですよ。誰も傷つかず、旦那さんにもバレない。どうでしょう?」 美咲の頭は真っ白になった。結婚記念日、夫との幸せな時間を守りたいという思いと、目の前の絶望的な状況が交錯する。警備員の目は彼女を逃がさない。店内の静寂が、まるで彼女を追い詰めるように重くのしかかる。 葛藤の末、美咲は小さくうなずいてしまった。警備員は満足げに微笑み、「じゃあ、裏の事務所で話しましょう」と彼女を促した。美咲の足取りは重く、心は嵐のように乱れていた。
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